ナショナルは2009年に三洋電機と業務提携を結び、同社をパナソニックグループにおさめることになりました。これでナショナルは、ソーラーシステムにおいても戦える牌を得た訳です。ナショナルは燃料電池システム「エネファーム」も製造販売していますが、開発初期にソーラー発電事業を選択するか燃料電池事業を選択するかでかなり迷ってソーラー発電事業を断念したというエピソードがあります。

三洋電機を小会社化したことでHIT太陽電池を搭載した自社システムを販売できることになったというのは、ナショナルにとってはある意味で運命づけられていたことだとも言えるかも知れません。 ナショナルのソーラーシステムの特徴は三洋電機と同様、高変換効率を誇るHIT太陽電池にあるのですが、単結晶系ハイブリッドだけでなく、多結晶シリコンのシステムも選べるようになっています。

これでは三洋電機と大きな違いがないのではと思うかも知れませんが、ナショナルでは薄型テレビの「ビエラ」とソーラーシステムを繋ぐことで、発電した電力や、家庭内の消費電力などを表示できる家庭用ネットワークシステム「ライフィニティ」の実現をイメージしているようで、これが実現できれば、ナショナルならではのソーラー＆エコシステムが完成することになります。

見積価格に関する情報はまだ少ないナショナルのソーラーシステムですが、HIT系のソーラーシステムなら概ね三洋電機のものと同等の価格で導入できるはずです。家電製品や住宅設備機器で多くのファンがいるナショナルです。今後のシェア拡大と同社ならではの斬新な切り口でソーラーシステムの提案を仕掛けてくるはずです。

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